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藤乃薫

Author:藤乃薫

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たまには衝動に身を任せたくなる日もあります

 以下、妄想駄文


 【訳せ~現代の高校生より、過去の文豪に挑む~】

 暑さの引いた秋の日。
 とある高校、直前は現国、現在昼ごはん。
 雅也はぼーっとキャロットスティックをかじりながら先ほどの授業を思い出す。

 --かの文豪、夏目漱石が「I Love You」を「月がきれいですね」とでも訳しておけ、日本人ならそれで通じる

 そう生徒をたしなめたという。


「なぁなぁ」
「ん?」
「なん?」
 雅也が声をかける。一緒に食事をとっていた浩二と隆司が雅也に呼ばれて顔を見る。
「月がきれいですねで通じると思う? 現代人に」
 深刻な顔で雅也が二人に問う。
「まず無理だわな」
「俺もそう思う」
 問われた二人が深刻な顔で首肯する。
「そうだよな、情緒のかけらも失われた現代日本で「月がきれいですね」って女に言っても「え、饅頭食べたいの?」 って帰ってきそうだよな」
 隆司の言葉に一瞬納得しかけた雅也と浩二だったが、「うんうん」と賛同した直後に「ん?」と小首をかしげる。
「うん、なんで饅頭?」
 浩二が小首をかしげながら問うと、
「ゲッペイ?」
 隆も同じように小首をかしげながらなぜか疑問形で返す。
「現代日本人がスルっとゲッペイでてくるかなー?」
「出てこないな」
 雅也の疑問に浩二と隆司が同時に首を横に振る。
「落雁レベルで出てこないよな」
「余計にややこしくしないでせめて満月ポンにしてくれる?」
「お前がポンするなら俺はカンしようかな」
「あ、んじゃその牌チーしてロン」
「チーじゃ上がれないから破綻だな、はい論破」
「パッを思いつくあたりすげーな雅也」
「やっぱマージャンとかしてんの」
「ノンノン、聞きかじりですよ奥さん」
「「あ、「ん」が付いたから雅也負けな」」
「え なんでいつの間にしりとり?」
「論破あたりからじゃね?」
「んだんだ」
 いつの間にか始まっていつの間にか終わったゲームに脱力して雅也がため息をついた。今日も平和な時間が流れていく。
「んで、お前何が言いたかったの?」
 強引な路線変更というか本題を引き出そうとしてくれたのか浩二が問いかけてくる。
「そう、言いたかったのは「現代日本人なら「I Love You」をどう訳すかなんだよ。月がきれいですねでは通じないってなら、お前らならどんな言葉に訳す?」
「どんなって言われてもなー」
「ん~」
 雅也の問いに浩二と隆司が唸り始める。
「想像してみろよ」
 雅也が二人に促す。
「静かに揺れるススキ」
「ガサガサうるさそうだな」
「雲間から覗く煌々と輝く満月と星たち」
「満月の夜に星は出ないな」
「隣同士」
「あなたとあたしでサクランボ」
「いちいちネタ突っ込んでくるなよツッコめないだろ」
 雅也が半分叫ぶ。二人は面倒くさそうにェーと鳴いたが、それでも一応聞いてくれる姿勢は作ってくれたようだった。
「雰囲気満点の夜、愛する人と二人きり、周りには邪魔するものはいない。そこで心を込めて男が女に「I Love You」と告げるんだ。さあ訳せ何がいい!!」
 雅也が勢いよく隆司を指さす。
 隆司はうなづいて、真顔で答える。
「や ら な い か 」
「や っ て た ま る か!!」
 まさかのドストレート直球下ネタに雅也が膝をつく。
「雰囲気全部ぶち壊しじゃないか! てかむしろ愛より性欲勝っちゃってるじゃないかやだよそんな愛! 文学踏みにじってるよ!」
「つってもほら俺たちは健全な17歳のDKなわけでして」
「オブラート! せめて愛というオブラートで包んで口説いてからにして!!」
「隆司―?」
 崩れ落ちて鳴きまねをする雅也の背後、しばらく離れたところで食事をとっていた女子高生こと奈津子が隆司を呼ぶ。
「ん~?」
 隆司が顔を奈津子のほうにむけると、奈津子はいい笑顔でグッと親指を立てた。
「割とそういう男好きだぞ私!」
「ちょっと黙って女子! 自分たち自らオブラートを破り捨てていくスタイルやめて! DKはDJにヤマトナデシコの幻想を追って生きてる生き物なのよ破れたら死んじゃうのよ!」
「黙れ雅也! お前らが草ばっか食ってるから女が肉食にならざるを得なかった現代日本の闇を知れ!」
 まさかのヤマトナデシコに乗られそうな空気を感じ、雅也がバッと椅子に座りなおす。そして肉食女子を頭から追い出すために真顔で浩二に向き直る。
「浩二はどう訳す?」
「え、俺には雰囲気盛り上げてくれないの?」
「え、めんどくさい」
「んじゃ代わりに俺が―」
 雅也が雰囲気の作成を投げると、すかさず隆司が引き継ぐ。
「中世、月が見降ろす草原には、許されない愛をはぐぐむ二人の男女」
 雅也と浩二とあとその辺の生徒たちの脳内で風景が描かれる。
「二人の家は敵同士。もうすぐ引き裂かれるとわかっていても止められない感情。男は女を抱き寄せ、「I  Love You]と呟く。さあ浩二!」
「や ら な い か」
「ぶ ち こ わ す な!!」
 雅也が椅子から転がり落ちる。
「なんなの?! 雰囲気関係ないの?! ヤれれば幸せなの?!」
「自分17歳の(」
「17歳の健康男子わかったから! ヤリたい盛りわかったから! せめて愛を! 愛を見せて俺は愛を見たいのよ!」
「んじゃあ私が最高の訳を出してあげるわよ!」
 雅也の背後まで迫っていた奈津子が手を上げる。浩二が楽しそうに「おー」と声を上げる。雅也としては、先ほどの隆司の訳に対する奈津子の反応からだいたいどう応えるかわかっている気がするから別段聞きたいとは思わなかったが、
「ほら、モノローグ!」
 奈津子にせかされれば反抗する気にはならない。ということで情景描写を始める。
「出撃を控えたドイツ人のパイロット。戦況的に、飛び立てばもう戻ってくることはできない。それでもいかねばナチに……! 決心を胸に秘め、そばにいた最愛の人をそっと抱き寄せて「I Love You」とつぶやく! さあ奈津子!」
「俺は イギリスの 回し者じゃない」
「アイラブユーといった時点でスパイですわ衛生兵!!」
 奈津子の言葉に、即座に隆司がノる。
「だからお前に振るの嫌なんだあぁぁぁぁぁぁ」
 雅也が叫ぶ。
 その雅也の肩を、そっと細い指がつつく。
「あの、雅也君、私もやってみたい……です」
 指の主は奈津子の腰ぎんちゃく、美月だった。
 この子はまじめな子だし、可愛い女の子だし、まともな返答が期待できる。雅也はこくりと一つ固唾をのむとうなづいた。
「わかったよ、じゃあ、状況を提出するね」
 雅也は全力で、シュチュエーション? シュチエーション? シュミレーション? をぶちまける。
「イギリス、平穏な日常のなかで、シャイ彼は幼馴染の可愛い恋人とバレンタインを過ごす。決意はもう固まった。彼は彼女を抱き寄せ、心から呟く「I Love You」」
 さあ、決めてくれ。雅也が心から願う。
「さあ、美月さん!」
「ぬ か み そ 」
「なんで略語?! 糠漬け臭くなるまで毎日あなたの味噌汁が飲みたいってなんで?! 俺イギリスって言ったよねモーニングティーじゃだめだった?!」
「わあ、通じた。雅也君すごーい」
 美月が朗らかに笑いながらパチパチと手を叩いた。
 その背後で、隆司と浩二と奈津子が「なんで通じた?!」と、驚いて顔を見合わせていたのだった。

 そんなこんなで昼休憩は過ぎていく。
 本日も日本は平和であった。

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